常世(とこよ)の花嫁様
!???
塔子「小屋…かな?」
目に入った久しぶりの人工物は随分と錆びれて古い


ふぅーっ。
良かった。。。もしかしたら、誰かいるかもしれない
もし居なくても
これで、雨露くらいは凌げるだろうし。。。


ーーーコン、コン、コン…


塔子「あの…だ、れか…い、居ませんか…?」


ーーー。。。
戸を叩いても返事がない


キィーーーーっ
引いてみると戸は簡単に開いた

塔子「…あのー?」

真っ暗で中はどうなっているのか全く分からないけど、誰か人がいる気配はない

ーーー
塔子「よいしょっと」


何とか床に座って、壁にもたれかかる…

ーーー。。。
夜は獣がウロウロしていて、ろくに眠れなかった

少し横になろう、、、
緊張の糸も少しずつ薄れていく…
それと同時に、じんわりと目頭が熱くなった


ーーーこのままだったら……死んじゃうかもしれない……
弱音が溢れる

泣きそうになる自分を叱咤して、ブンブンと首をふった


ダメ、絶対、諦めちゃダメ!!

パシッと頬を叩く


...誰か?...誰かいませんか?
そうこえをかけようとした
。。。ふぅーーー。。。

一瞬、生暖かい風が戸のない方から入ってくる


『ほぉ、これはこれは、小さな客人ではないか...』

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