常世(とこよ)の花嫁様
第1章(現世)

謎の手紙

ーーーそして、今に至るーーー


あの子は私の命の恩人なのに。。。

塔子「はぁ…」

ため息1つ盛大にこぼれ出る。。。

当時の私に言ってやりたい

...名前くらい聞いとこうよ…

本当に私の馬鹿。。。

お礼の一言すら言ってないし!!!

ーーー

手首に後生大事につけているブレスレットは
今では、若葉色から深碧(しんぺき)色(深く濃い緑)になってしまった


10年たった今でも切れる事なく、私の大切な宝物である

ーーー

あの子は、今頃どうしているかな?


あの頃、私と同じ位だったから、今だったら多分17才…位?か…。。。


いつもここに来ては、もしかして彼がいるんじゃないかって探してしまう

ーーー

自分の周りの環境に慣れてきた頃
落雷のお陰で、私はこの場所を知る事が出来た...

ーーー

小屋だと思っていた所は
本当は神社の本殿で、綺麗に修繕工事されていた

こじんまりとした木製の鳥居と

その脇には小さな狐と狸の石像

本殿には

ちょっと強面の鬼の面を祀っている


ーーー


二礼と二拍手、一礼して、手を合わせて

ふと顔を上げたら

ーーー何だろう、これ?

石で重りをして
一枚の紙が
置かれていたーーー


[もうここには来るな]

そう一文書かれているだけだった


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