【続】Slow Magic~その後の2人~
私のお気に入りの、グレーと黒のストライプのシャツに、
破れたGパン。
こんな状況なのに、見とれてしまうくらいかっこいい。
「誰あの人!?」
ゆかりの隣に座っていた友達がゆかりに聞いた。
「あれが、噂の美亜の彼氏!!」
超危ない状況の中、私は自慢の彼氏をみんなに見てもらえて少し嬉しかった。
でも、
でも!!!
今はそれどころじゃない。
一歩一歩近付く隆介。
その表情は、今から戦いに行くボクサーのような・・・
殺気立った顔。
「かっこいい…」
呟く私の背中をゆかりがドンと押した。
「早く行かなきゃ!」
ゆかりに背を押されて立ち上がった私に、坂出さんが声をかけた。
だめ。
振り向かないで、坂出さん。
危険です!!!