【続】Slow Magic~その後の2人~
あわわわ・・・
私は歩き出すこともできずに、ただ近付いてくる隆介を見つめていた。
「どうしたの?美亜ちゃん!!」
坂出さんは、私の視線の先に・・・
自分の視線を向けた。
目が合う2人。
隆介はニコリともせずに、立ち止まった。
凍りつく空気。
これがドラマだったら、ドキドキの展開だけど…
実際に自分に起こってしまうと、どうしていいかわからない。
「誰だ?てめー!」
隆介は、坂出さんに向かっていきなりそんな言葉を浴びせた。
うわぁ・・・
やばい。
「あ、あの!!大学の先輩の坂出さんです!」
私は、2人の間に入って、坂出さんを紹介した。
坂出さんは、ようやく状況を理解したらしく、ため息をついた。
「はぁ・・・美亜ちゃんの彼氏さんですか?」
その言い方は、私が聞いてもカチンと来るような口調だった。