【続】Slow Magic~その後の2人~
「殴れよ・・・」
隆介は、ボソっとそう言った。
坂出さんの胸ぐらを掴み返し、殴りかかるかと思った。
「殴ったら、お前・・・美亜に嫌われっぞ?あいつ、俺に惚れまくってるから…」
そこにいる全員が、隆介に惚れちゃうんじゃないかと思うくらい、かっこよかった。
今、
私、また隆介に恋をした。
また惚れ直しちゃったよ!!!
自意識過剰なS彼氏だけど、
私にとって、隆介以上の人はいないんだ。
「・・・くっ!!」
坂出さんは、悔しそうに右の拳を握り締めながら、隆介から離れた。
「お前、美亜のどこが好きなの?」
隆介は、シャツのえりを直しながら、何事もなかったかのように坂出さんに聞いた。
「え・・・いや・・・かわいいし。」
坂出さんの答えを聞いて、隆介は苦笑い。
「お前、美亜のこと全然わかってね~な。」
隆介ったら…
私の腕を強引に引っ張って、抱き寄せた。
「手、出す気なら、それなりの覚悟しとけよ。」
隆介は、私の腰に手を回しながら、坂出さんを見下ろした。
今、隆介は3メートルくらいの大男に見える。