【続】Slow Magic~その後の2人~
おしおき
「今日からキスしねーから。お前、家帰れよ。」
冷たく言った後、後悔した。
今の生活で、美亜がいなくなるなんて考えられなかった。
帰ったらいつも美亜が迎えてくれた。
それが、なくなることは……
とても寂しい。
小学校の頃、
どんなに嬉しいことがあっても、家に帰ると悲しくなった。
走って帰っても、待っていてくれる人がいない。
だから、寄り道ばかりした。
「ただいま」と言える幸せを、美亜が…くれたんだ。
「本気で言ってるの?じゃあ、帰る!!!!」
え、まじかよ。
いつもなら、
謝って……
俺に抱きついてくるのに。
美亜が…
俺にエプロンを投げ付けて、部屋を出た。