信じることを諦めた少女の生きた道






『はい、出来ましたよ…皆いる?』


作った昼餉を並べていく
すると平助や原田、永倉の三馬鹿トリオが目を輝かせる
心なしか斎藤さんも目を輝かせてる気がする



今までどんなの食べてきたんだよ




沖「わぁぁ!わぁぁ!!美味しそうですね!!」



ガキだ…



『それはどうも、…では食べますよ』



私の声とともに声を合わせて



「「「「いただきます!!」」」」


『…いただきます…………』



そして食べ始める。
平助が一番に口にしそして……



藤「っっ!!!うっまぁいなぁぁあ!!」


瞳を輝かせてバクバク頬張っている
うん、子供


永「グスッ…こんなにうまい飯いつぶりだろうか…ぅ」


もはや泣いている人も数名……
ほんとにどんなものを食べていたのか…


『…はぁ』




近「狭間くん、とても美味しいなぁ、あぁそうだ、この後遣いを頼んでもいいかな?」



『……はい、別に』



特にやることないしね…


そしてしばらくして全員食べ終わり最初と同じように

「「「「ご馳走様でした!!」」」」



『ご馳走様でした……』



と挨拶をする…そして全員のお茶碗などを運び洗い始める



斎「…手伝う」



『いや、別に大丈夫で「手伝う」……はい』


『……』


斎「……」


無言でひたすら洗い物をする、気まずいな
そんな沈黙を破ったのは夕桜ではなく斎藤だった



斎「…美味かった、お前の飯美味かったぞ」



そう言って笑ったのだ…
夕桜は目を見開く…斎藤自身も同じように驚く…
何故か?…それは斎藤が勝負以外で嬉しそうに微笑んだからだ




まさか斎藤に、礼を言われるとは思っていなかった夕桜と、自分が女子に笑顔を見せると思わなかった斎藤


『…ぁー……え、っと……ありがとうございます…?』



斎「ぁ、あぁ……っ…ま、また待ってるぞ…では俺はここで」



そう言うと顔を赤く染め即座に去っていってしまった
なんだか慣れない感覚になってしばらく唖然としていたがはっとして続きの洗い物を済ませようと目線をお皿に戻すともう全て片付けてあった




斎藤さんがやってくれたのだと思う
信じることは出来ないけど…あの人はいい人だと、私は思う


不器用なんだと思う………って、何考えているんだろうか




『ほんと、バカバカしい………………………………』




それから服を着替えるため部屋に向かう…もちろん原田の部屋に行く







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