エリート上司の甘い誘惑
「誰だってみんな忙しかったのに。そんな進展あるわけないでしょ」
「なーんだ」
ほんとは、ちょっと色々あったけども。
あってもこんなとこじゃ話せないでしょうが。
でも。
「でも」
「何?」
「近々、話せるように、する」
「おお……」
「うん」
「いよいよ捜索開始か」
うん、と頷いた。
私は今夜、結果はどうあれ、行動することに決めている。
私よりも、望美の目がキラキラしていることが気になるが。
なんだかんだと面白がるふりをしながらも心配はしてくれているのだと……一応信じているので。
どういう結果でも、ちゃんと彼女に一番に報告しようと思う。
なかなか来ない部長が気になって、膝に乗せた携帯につい目が行く。
ちょうど同じタイミングで、ラインのメッセージを受信した。
”もうすぐ着く”
そわ、とくすぐったい感覚に居てもたってもいられなく、なった。
「さよ? どこいくの?」
「え、あ。ちょっと外の空気、吸って来る」