エリート上司の甘い誘惑

ただ、慣れの問題、というやつで。
何より一番慣れないのは、クールで素敵だと思ってた部長が、マジ糖度200%ほどの甘さを発揮していることだ。


部長の手が、私の髪をかき上げ耳の後ろの薄い肌に口づける。
ぞくぞく、としてまた、吐息が妖しく部屋の空気を揺らす。


「あの、部長」

「……」

「あ、隆哉さん」

「ん?」

「もうちょっとしたら、空が明るくなってきちゃいます……」

「だな。どうせ休みだ、好きなだけ寝ればいい」

「……寝る、とは、その、どっちの?」

「さよの好きなように」


だったらもう、眠りたい!
そう叫び出したいところだったけれど、あむ、と首筋に噛みつかれてその叫びは飲み込んでしまった。


私の好きなようにという割には私の身体を好きなように反応させてしまうのは、隆哉さんの方ではないか。


ふ、と耳元で彼が笑った。
それすらも身体の熱を呼び戻すもので、結局私は翻弄される。

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