エリート上司の甘い誘惑
可愛い弟分
今年は暖冬なのか、日中は暖かい日が多い。
だが、日が傾けばさすがに風が冷たく冬だなあと実感させられる。
職場を離れ、駅に近づいてから東屋くんに連絡しようとスマホを取り出した。
彼も同じ駅を使っての電車通勤だから便利だし、この駅から隣駅まではずっと繁華街が続いていて飲食店も多い。
その繁華街をまっすぐ、隣駅の方角へ向かうと遠目にやがて大きな商業施設と赤い観覧車が見えてくるのだ。
そう、昨日園田の結婚式が行われたホテルのある、あの駅がそうだ。
「「あ」」
駅の方角から、彼も同じようにスマホを手にしながらこちらに歩いてきたところだった。
「お疲れ様。外回り?」
「お疲れ様です。今戻ったとこで……すみません遅くなって」
「いいけど一回会社戻る?」
「大丈夫です、直帰って言ってあるんで」
東屋くんが引き返す形で、歩き出す。
考えることは同じのようで、この方面が店を探しやすいからだろう。
「さよさん、何食べたい?」
やけにほくほくと嬉しそうな顔だった。
「そんなお腹空いてんの? いいよ東屋くんの好きなので」
っていっても相談事があるなら、ゆっくり話せそうな居酒屋とかがベストかしら。
私は、昨夜の件がある。
戒めの意味と身体の為にも今日は飲まないつもりだけれど、彼は多少飲みながらの方が話しやすいかもしれない。
「じゃあ、美味い洋食屋があるんで。そこでいいですか」
だが、彼が連れて行ってくれたのは、少し狭い路地を入った小さな洋食屋だった。
アルコールも勿論あるが、がっつり飲みに行くという時に使う店ではない。
赤レンガの壁と、橙色の温かいランプの灯り。
小さな店だが、静かで落ち着いた雰囲気の店だった。
「へー、いい感じの店だね」
「気に入ってもらえたら何よりです。ここ、肉料理がすげー美味くて」
やっぱりお腹が空いてたんだ。
酒より、腹にくるものが良かったらしい。
だが、日が傾けばさすがに風が冷たく冬だなあと実感させられる。
職場を離れ、駅に近づいてから東屋くんに連絡しようとスマホを取り出した。
彼も同じ駅を使っての電車通勤だから便利だし、この駅から隣駅まではずっと繁華街が続いていて飲食店も多い。
その繁華街をまっすぐ、隣駅の方角へ向かうと遠目にやがて大きな商業施設と赤い観覧車が見えてくるのだ。
そう、昨日園田の結婚式が行われたホテルのある、あの駅がそうだ。
「「あ」」
駅の方角から、彼も同じようにスマホを手にしながらこちらに歩いてきたところだった。
「お疲れ様。外回り?」
「お疲れ様です。今戻ったとこで……すみません遅くなって」
「いいけど一回会社戻る?」
「大丈夫です、直帰って言ってあるんで」
東屋くんが引き返す形で、歩き出す。
考えることは同じのようで、この方面が店を探しやすいからだろう。
「さよさん、何食べたい?」
やけにほくほくと嬉しそうな顔だった。
「そんなお腹空いてんの? いいよ東屋くんの好きなので」
っていっても相談事があるなら、ゆっくり話せそうな居酒屋とかがベストかしら。
私は、昨夜の件がある。
戒めの意味と身体の為にも今日は飲まないつもりだけれど、彼は多少飲みながらの方が話しやすいかもしれない。
「じゃあ、美味い洋食屋があるんで。そこでいいですか」
だが、彼が連れて行ってくれたのは、少し狭い路地を入った小さな洋食屋だった。
アルコールも勿論あるが、がっつり飲みに行くという時に使う店ではない。
赤レンガの壁と、橙色の温かいランプの灯り。
小さな店だが、静かで落ち着いた雰囲気の店だった。
「へー、いい感じの店だね」
「気に入ってもらえたら何よりです。ここ、肉料理がすげー美味くて」
やっぱりお腹が空いてたんだ。
酒より、腹にくるものが良かったらしい。