エリート上司の甘い誘惑
私は、いい仕事をしたのか邪魔をしてくれたのかわからない自分のお腹を擦りながら、唇を尖らせて拗ねた。
顔の熱は、まだ収まらないけれど。
「仕方ないじゃないですか。お昼から何も食べてないんですもん」
「ああ、そうだな食って帰るか」
「えっ?」
「ほら早く。コート取ってこい」
ぽん、と腕を叩かれて、帰り支度を促される。
えっ……えっ?!
ほんとに、ごはん?!
「いいんですか?! あ、でも。部長、接待で食べたんじゃ」
「食べた気がしないからちょうどもう一軒行こうかと思ってた」
私に気を遣ってくれたのだろうか。
わからないけれど「ほら早く」と腕を組み直し待つ体勢の部長に、
「はいただいま!」
と、大急ぎで荷物をまとめ、個人ロッカーまでコートを取りに戻った。
憧れの部長と二人でご飯!
グッジョブ、私の腹の虫!