イケメン御曹司のとろける愛情
第一章 Elevator王子
朝九時前の通勤時間帯、B.C. square TOKYOの一階エントランスでは、スーツや私服の男女がそれぞれ目指すエレベーターに向かって迷いなく進んでいく。
私が利用するのは一階から十階専用エレベーター。到着を待っていた人たちが全員乗り込み、今にもドアが閉められようとしているのを見て、私はフロアをダッシュした。
「すみません、乗りますっ!」
混雑したエレベーターにどうにか乗り込めた……と思ったのも束の間、体ががくんと沈み、パンプスの右のヒールがエレベーターのドア下の隙間に挟まった。
「えっ」
あわてて引き抜こうと足を上げたら、パンプスからスポンッと足が抜ける。
「わ」
こんなときにーっ!
しゃがんでパンプスをつかみ、引っこ抜こうとするが、ヒールは溝に食い込んで全然動かない。ドレスの入ったガーメントバッグとボストンバッグを両肩に提げているので、うまく力が入らない。
「ごめんなさいっ、すみませんっ」
私が利用するのは一階から十階専用エレベーター。到着を待っていた人たちが全員乗り込み、今にもドアが閉められようとしているのを見て、私はフロアをダッシュした。
「すみません、乗りますっ!」
混雑したエレベーターにどうにか乗り込めた……と思ったのも束の間、体ががくんと沈み、パンプスの右のヒールがエレベーターのドア下の隙間に挟まった。
「えっ」
あわてて引き抜こうと足を上げたら、パンプスからスポンッと足が抜ける。
「わ」
こんなときにーっ!
しゃがんでパンプスをつかみ、引っこ抜こうとするが、ヒールは溝に食い込んで全然動かない。ドレスの入ったガーメントバッグとボストンバッグを両肩に提げているので、うまく力が入らない。
「ごめんなさいっ、すみませんっ」
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