イケメン御曹司のとろける愛情
 その言葉にドキリとする。

「そ、んなことないです」
「正直に言ってほしい。奏美さんは……昨日のことを後悔してる?」
「後悔なんてしてません」
「本当に?」
「はい」

 翔吾さんにまっすぐに見つめられ、私はうなずいた。それだけは本当のことだ。

「じゃあ、今夜も一緒に過ごせるかな?」

 円崎さんとは過ごさないの?

 そんな気持ちのまま視線を落とすと、翔吾さんが言う。

「ビジネスセミダブルの部屋じゃ嫌かな?」
「と、とんでもない!」

 私が顔を上げると、翔吾さんが私の耳に唇を寄せる。

「じゃあ、今夜も帰さないけど、いい?」

 熱を孕んだ声でささやかれて、私は素直にうなずいた。
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