イケメン御曹司のとろける愛情
 それって……どういうこと? 私との関係が間違いだったってこと?

 もう普通の顔をして目を開けるなんてできない。

 そのままじいっとしてたら、背後で穏やかな寝息が聞こえ始めた。

 ああ、翔吾さん、寝ちゃったんだ。

 私はそっと体を起こして、彼がいる側を見る。

 案の定、彼は目を閉じて眠っていた。

 私は翔吾さんを起こさないよう、細心の注意を払ってベッドの足元から下りた。そのまま足音を立てないようバスルームに行き、カゴに脱ぎ捨てていた下着とワンピースを身につけた。

 円崎さんに“好きだよ”なんて言うくせに、私とこんな関係になるなんて。

 目尻から熱いものがこぼれ、私はぐいっと涙を拭った。

 ホント、真緒ちゃんの言う通り、私ってただのイタイアラサーだ。ようやくわかった。

 私はドアをそっと開けて翔吾さんの部屋を出た。


***


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