イケメン御曹司のとろける愛情
「ちょうだいいたします」
「今日は奏美さんにぜひお願いしたいことがありまして、こちらにお伺いしました」

　円崎さんが切り出し、私は瞬きをした。

　円崎さんが私にお願い……？

　この流れからすると、円崎さんは私が想像していたような理由で私に会いに来たんじゃないのかな……？

「座ってお話ししませんか？」

　円崎さんに促され、私は三好さんを見て小さく会釈をした。変な声を上げてしまったのを取り繕いたかったのだ。三好さんはホッとしたようで軽くうなずいた。

　私は円崎さんに勧められるまま、さっきまで二人が座っていた四人掛けの席に着いた。円崎さんが私の向かい側に、その隣に翔吾さんが座る。

「いきなり本題に入らせていただきます。弊社は純国産小型旅客機の製造を行っているのですが、そのイメージソングとして、ぜひ奏美さんの『フライ・ハイ』を使わせていただきたいのです」

　円崎さんに予想もしていなかったことを言われ、私は目を丸くした。

「『フライ・ハイ』を御社のイメージソングに……？」
「はい」

　円崎さんは笑みを大きくして言う。
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