イケメン御曹司のとろける愛情

　私は大きく息を吸って言葉を紡ぐ。

「好き……。大好き。誤解が解ける前から、翔吾さんのことが好き」

　私の言葉を聞いて、翔吾さんの笑顔が大きくなった。

「よかった。それならいい。俺のことを好きだからそういう誤解をしたんだって、逆に今ならうぬぼれられるから」

　どうしてそんなに優しいことを言ってくれるんだろう。

「ひどいことをしてひどいことを言って、本当にごめんなさい。私、自分に自信がなくて、翔吾さんのことを信じられなかった」

　翔吾さんが右手を伸ばして私の髪をそっと撫でた。

「どうして自分に自信がないなんて言うの？」
「だ……って、バイト先の女子大生に、夢ばっかり追ってる諦めの悪い『イタイアラサー』って言われて……私みたいな女を本気で好きになってくれる人なんていないって思って……」

　翔吾さんが腕を広げ、私をふわりと腕の中に閉じ込めた。

「奏美さんの演奏している姿を見たら、こんなにも夢と自信に満ちあふれて輝いている女性はほかにいないって思うのにな」