イケメン御曹司のとろける愛情
翔吾さんはそう言って愛想よく笑った。私の腰に翔吾さんの手が回されたかと思うと、彼の方にグイッと引き寄せられた。翔吾さんはにこやかな顔で、でも鋭い目で木元さんを見て語り始める。
「このエンジンは当社独自のギアシステムを採用しています。ファンやタービンの回転速度を計算し尽くし、これまで実現できなかったレベルの燃費性能を実現しました。それだけでなく、これまでのエンジンと比較してタービン翼を――」
まだまだ語り続けそうな翔吾さんの言葉を遮って、木元さんが言う。
「あ、ど、どうもありがとう。次は尾翼を見せてもらおうかな。では、失礼しますよ」
木元さんがそそくさと離れていき、翔吾さんは私の方を見た。
「なに口説かれてたの?」
「口説かれてなんかないってば」
私が苦笑すると、翔吾さんがおもしろくない、と言いたげな表情になる。
「IA-1のお披露目に来てるっていうのに、奏美さんのことばかり知りたがってた。ああいう下心のある男に近づくのは禁止」
「このエンジンは当社独自のギアシステムを採用しています。ファンやタービンの回転速度を計算し尽くし、これまで実現できなかったレベルの燃費性能を実現しました。それだけでなく、これまでのエンジンと比較してタービン翼を――」
まだまだ語り続けそうな翔吾さんの言葉を遮って、木元さんが言う。
「あ、ど、どうもありがとう。次は尾翼を見せてもらおうかな。では、失礼しますよ」
木元さんがそそくさと離れていき、翔吾さんは私の方を見た。
「なに口説かれてたの?」
「口説かれてなんかないってば」
私が苦笑すると、翔吾さんがおもしろくない、と言いたげな表情になる。
「IA-1のお披露目に来てるっていうのに、奏美さんのことばかり知りたがってた。ああいう下心のある男に近づくのは禁止」