イケメン御曹司のとろける愛情
 驚きながら椅子から降りて、インターホンのモニタに近づいた。映っているのは五十代前半くらいのダンディな男性、三好オーナーだ。

「はい」

 インターホンの応答ボタンを押すと、三好さんの声が聞こえてくる。

「山本さん、そろそろ時間ですので、お迎えに来ました」

 言われて横のサイドボードにある置き時計を見ると、七時四十分を過ぎている!

「わ、すみません!」

 せっかくのチャンスなのに、いきなり遅刻なんて印象が~!

 私はあわてて玄関に向かった。ドアを開けて頭を下げる。

「申し訳ありませんっ。もう少し早く行こうと思ってたんですけど、ステキなお部屋で練習してたら夢中になってしまって……」

 オーナー直々に迎えに来てもらうなんて、恐れ多すぎる。というか、大失敗かも……。

「大丈夫ですよ」

 優しげな声が聞こえてきて顔を上げた。三好さんが落ち着いた笑みを浮かべていて、私は内心胸を撫で下ろした。

「直通エレベーターにご案内しますね」
「お願いします」
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