イケメン御曹司のとろける愛情
西谷さんが険しい表情になって、右隣へ視線を送った。つられて私もそちらを見ると、黒いスーツを着た背の高い男性が座っている。その男性のキリッとした目元を見て、私は息を呑んだ。
エレベーター王子(by雪絵さん)だ!
でも、彼は私に気づいていないのか(そりゃそうか、昼間のナチュラルメイクで黒縁メガネの私とは全然雰囲気が違うもんね)、すまなさそうな表情で立ち上がった。
「申し訳ない。ペーパーナプキンを取ろうとしたら、手が当たってしまいました。大丈夫……ではないですね」
彼は言ったかと思うと、私の右の二の腕をグッとつかんだ。
「ドレスをクリーニングに出しましょう」
「それは当然だが、キミはいったいなにを――」
西谷さんは、私の腕をつかんでいるエレベーター王子の手を払いのけようとしたが、王子は手に力を入れて私を強引に立たせた。
バーテンダーが私に声をかける。
「おしぼりをお持ちしましょうか?」
けれど、エレベーター王子が勝手に断る。
「いえ、すぐにクリーニングを頼むので結構です」
王子は私を促すように腕を引っ張った。
エレベーター王子(by雪絵さん)だ!
でも、彼は私に気づいていないのか(そりゃそうか、昼間のナチュラルメイクで黒縁メガネの私とは全然雰囲気が違うもんね)、すまなさそうな表情で立ち上がった。
「申し訳ない。ペーパーナプキンを取ろうとしたら、手が当たってしまいました。大丈夫……ではないですね」
彼は言ったかと思うと、私の右の二の腕をグッとつかんだ。
「ドレスをクリーニングに出しましょう」
「それは当然だが、キミはいったいなにを――」
西谷さんは、私の腕をつかんでいるエレベーター王子の手を払いのけようとしたが、王子は手に力を入れて私を強引に立たせた。
バーテンダーが私に声をかける。
「おしぼりをお持ちしましょうか?」
けれど、エレベーター王子が勝手に断る。
「いえ、すぐにクリーニングを頼むので結構です」
王子は私を促すように腕を引っ張った。