イケメン御曹司のとろける愛情
 胸の温もりはどんどん熱く膨らんでいく。それに押されて、私は彼と同じ言葉を口にする。

「私も……水無川さんに助けられたのは、運命だったのかなって思います」

 だって二度も助けられたうえに、こうして言葉で私を力づけてくれたんだから。

 水無川さんはそっと右手を伸ばして私の頬に触れた。胸がトクンと音を立て、私は頬に触れる彼の大きな手に自分の手を重ねた。

「名前で呼んでくれないか」

 熱を帯びてかすれた彼の声。その声が伝わる耳から頭の芯まで蕩けてしまいそうだ。

「翔吾さん」

 私が呼ぶと、彼は嬉しそうに口元を緩めた。顔を傾け、長いまつげを伏せる。つられて目を閉じたら、唇に彼の唇が重なった。ゆっくりと唇を離して、翔吾さんが言う。

「あの男にカクテルをぶっかけたいと思ったのは、本当は違う理由からなんだ。あいつがキミに触れるのが我慢できなかった」

 翔吾さんがもどかしげに微笑み、低い声で続ける。

「キミのなにもかもを俺のものにしたい」
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