イケメン御曹司のとろける愛情
私の言葉に、雪絵さんが首を横に振る。
「あら! そんなことないわよ! 人は社会的地位で恋愛をするんじゃないわ」
雪絵さんの好きな小説では、御曹司がただの事務員と、CEOが地味な秘書と恋に落ちているらしい。でも、それはやっぱり小説の中の話だと思う。
だって実際、大学時代の友達に誘われて二年前に合コンに行ったとき、「夢のためにコンビニでバイトしながらジャズピアニストをしてる」って言ったとたん、男性陣にドン引きされたんだもん。『アラサーにもなってあれはないよな』って陰口だって言われたんだから。
そんな私の過去の恋愛事情を知らない雪絵さんは、うきうきした声で言う。
「あ、いいタイトル思いついちゃった! 『摩天楼のシンデレラ』! 彼が奏美ちゃんに恋をしたら、奏美ちゃん、まさにシンデレラになれるわね~」
「だから、それはありえませんってば。雪絵さん、妄想しすぎです」
「いいじゃないの、せっかくここで働いてるんだし、夢は見ないと」
雪絵さんは笑いながらパソコンのモニタに向き直った。
「あら! そんなことないわよ! 人は社会的地位で恋愛をするんじゃないわ」
雪絵さんの好きな小説では、御曹司がただの事務員と、CEOが地味な秘書と恋に落ちているらしい。でも、それはやっぱり小説の中の話だと思う。
だって実際、大学時代の友達に誘われて二年前に合コンに行ったとき、「夢のためにコンビニでバイトしながらジャズピアニストをしてる」って言ったとたん、男性陣にドン引きされたんだもん。『アラサーにもなってあれはないよな』って陰口だって言われたんだから。
そんな私の過去の恋愛事情を知らない雪絵さんは、うきうきした声で言う。
「あ、いいタイトル思いついちゃった! 『摩天楼のシンデレラ』! 彼が奏美ちゃんに恋をしたら、奏美ちゃん、まさにシンデレラになれるわね~」
「だから、それはありえませんってば。雪絵さん、妄想しすぎです」
「いいじゃないの、せっかくここで働いてるんだし、夢は見ないと」
雪絵さんは笑いながらパソコンのモニタに向き直った。