イケメン御曹司のとろける愛情

　へー、そうなんだ。翔吾さんへの親近感がさらに増しちゃった。

「私、今は御茶ノ水に住んでますけど、実は宮前区の出身なんです」

　翔吾さんは目を見開いた。

「俺は川崎区だよ」
「あ、そうですよね。ポートスクエアがありますもんね」

　ということはミナガワ・エンジニアリングもきっと川崎区にあるんだよね。翔吾さんとずっと前からつながっていたようでますます運命的だ。

「実家に住んでるんですか？」
「いや、俺は一人で住んでるよ。今日はプロジェクトの進捗状況を親父に報告に行こうと思って」
「そうなんですね。気をつけて行ってください」
「ありがとう」
「ステイトリー・ホテルはチェックアウトするんですか？」

　私が訊くと、翔吾さんは意味ありげに微笑んだ。

「いや、まだ一週間は泊まるつもりにしてる。それに、セミダブルの部屋だから、ちょっと狭いけど今夜一緒に泊まれる」
「翔吾さん……」