イケメン御曹司のとろける愛情
料理は三種類のコースから選ぶようだ。それぞれのメニューは、流麗な文字のイタリア語とすっきりした文字の日本語で二段書きされている。
でも、どれもさすがにお高い。私のライブのミュージック・チャージ何人分だろう……。
なんて比較にならないことを考えてしまう。いけないな。思考がネガティブスパイラルに陥っている。
翔吾さんが私を見て言う。
「奏美さん、食べたいものはある?」
訊かれたけれど、正直、こんな値段でどれを選べばいいかなんてわからない。
「あー、えっと、翔吾さんと同じものが食べたいな、なんて」
苦し紛れに言うと、翔吾さんが頬を緩めた。
「俺、結構食べるけど、大丈夫?」
「はい」
さすがに八時半を過ぎてるし、お腹はペコペコだ。
「それじゃ、この真ん中のコースはどうかな?」
翔吾さんに言われて、私はメニューに視線を落とす。真ん中のメニューはStuzzichino(なにこれ、読めない)と書かれた料理から始まり、冷たい前菜の“カニのコンソメゼリー”、温かい前菜の“温野菜とスカモルツァ・チーズのラザニア”と続いて、“海の幸のトマトソーススパゲッティ”、メインには魚料理か肉料理から一品選び、デザートとコーヒーが付くコースだ。
でも、どれもさすがにお高い。私のライブのミュージック・チャージ何人分だろう……。
なんて比較にならないことを考えてしまう。いけないな。思考がネガティブスパイラルに陥っている。
翔吾さんが私を見て言う。
「奏美さん、食べたいものはある?」
訊かれたけれど、正直、こんな値段でどれを選べばいいかなんてわからない。
「あー、えっと、翔吾さんと同じものが食べたいな、なんて」
苦し紛れに言うと、翔吾さんが頬を緩めた。
「俺、結構食べるけど、大丈夫?」
「はい」
さすがに八時半を過ぎてるし、お腹はペコペコだ。
「それじゃ、この真ん中のコースはどうかな?」
翔吾さんに言われて、私はメニューに視線を落とす。真ん中のメニューはStuzzichino(なにこれ、読めない)と書かれた料理から始まり、冷たい前菜の“カニのコンソメゼリー”、温かい前菜の“温野菜とスカモルツァ・チーズのラザニア”と続いて、“海の幸のトマトソーススパゲッティ”、メインには魚料理か肉料理から一品選び、デザートとコーヒーが付くコースだ。