生徒会の甘い罠
良心のかけらが一つでも残っているのなら、私らの姿を見るなり退散するはず。


そうじゃなければ…………とにかく巧さんたちを助ける!!


「ちょっと!!ここにいたの?探したんだよ」


わざとボリュームをあげた。


当然みんなこちらに注目するよね。


反応が…………みんな時が止まった。


威張ってた集団さんの腰の抜かしっぷり。


まだまだ顔で通用することがわかったよ。


「すいません、何かありました?よろしかったらご相談に乗りますよ」


松矢の怒気をはらんだ声がダメ押しになり、何も言わずトボトボと境内を後にした。


「助かった~」


今にも泣きだしそうな巧さんになぜかキュンとしてしまう。


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