生徒会の甘い罠
「沙弥ちゃん、ありがとう。おばさん死ぬかと思った」


暗くて確認出来なかったけど、女性の正体はママのお茶友達だった。


「花火見に来たんですか?」


「そうなんだけど、ここら辺をブラブラしてる時に肩にぶつかっちゃって。それで、たまたまいた彼が頑張ってくれて」


「僕は何もしてないですよ」


役目をはたした巧さんは立ってるのもやっとの感じだった。


「私は毎年帰省してこの花火を見に来るんですけど、年々ああいう集団が増えてきてるように思えます。よければ私たちとまとまって見ませんか?」


「お言葉に甘えたいんですけど、私は帰ります。彼は見たいだろうですし彼をお願いします。花火は見れる?」


「僕は見ます」


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