生徒会の甘い罠
どうせならフランクフルト食べながら戻ってくればいいや。


出来たてからは少し時間が経ったが、それでもまだ温かい。


一口食べてみたが、うまいものはホントにうまい。


口のまわりについたケチャップをティッシュで拭きながら教室に戻ると、赤城がタコ焼きを黙々と食べていた。


「そっちはフランクフルトか?」


「うまそうだな」


「残りあげようか?滅茶苦茶うまいぞ」


「それならフランクフルトと交換だな」


ダメ出しの心配はなく、食べ物の交換というなんという平和な時間だろう。


笹尾先生はまだ帰ってきてないようだ。


「タコ焼きまたもらってくるわ。時間はまだあるしな」


「いってらっしゃい」


赤城が引換券を握りしめて教室から出て行く。


ちょうど窓の外の景色が目に映った。


風がまたさらに強くなってきたのか、木々が揺れてる揺れてる。


外で模擬店は今回大変そうだな。


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