生徒会の甘い罠
「それと、カレー食べながらでいいが、お前がここに来るのはやめろ。いくら親友でもそれはダメだ。電話も履歴をすぐに消せよ」


…………カレーが想像以上にうまくて、臼田の忠告が耳に入ったかどうか。


お互い正反対の世界に足を踏み入れる前までは、二人で遊んだり悪さしたりしてた。


成績もほぼ一緒。


言わなくても将来同じ道に進むだろうと勝手に思っていたが、俺は違う道に進むと言ってこつぜんと姿を消した。


別に喧嘩したわけではなかったから、戸惑いの日々がしばらく続いた。


やがてワシは教師の道に進み、軌道に乗り始めた頃だ。


次の日が休みと言うことで一人で飲んでた帰り、街灯もないところでいきなり集団に捕まりわけのわからぬまま連れて行かれた。


墓が見えたから、お寺で何されるんだと。


明るい室内に入ると、いかにもという連中がワシの周りを取り囲んでいた。


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