生徒会の甘い罠
「帰った方がいいと思うよ。家帰って疲れが一気に来るパターンだ」


おっしゃる通りでございます。


この発言が後押しになって帰りたい思いが勝利しました。


「気をつけてね」


柊君がそう言った直後、ズボンのポケットからスマホがスルりと。


人混みの声量でスマホが床に落ちた音は聞こえない。


私が拾い上げて柊君に渡そうとしたら、深夜にお見かけする団体様の一人にぶつかってしまった。


やってしまったら当然この後は…………。


外かトイレに連行される前に解決するしかない。


その深夜にお見かけする団体様はおじいちゃんから不適格と判を押された方々たちなので。


なんでこんな目立つところにいるんだと私もビックリするしかない。


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