キミに想いが届くまで~ずっと
病室から出ようとした時、
「美月ちゃん、ちょっと待って」
翔のお母さんに呼び止められた。
「美月ちゃん、ちょっと受け取って欲しいものがあるの」
翔のお母さんはそう言ってかばんの中から箱を
取り出した。
「これね、本当は本人から渡したほうがいいと思う
んだけど、今は無理みたいだから、私から」
そう言って翔のお母さんは私の手の上に箱を置いた。
「これね、翔が事故にあったとき、ポケットの中に
持ってたの。あの子、美月ちゃんにプレゼント
しようと思ってたんだと思う。」
私は自分の手の中の箱を見つめた。