キミに想いが届くまで~ずっと



病室から出ようとした時、

「美月ちゃん、ちょっと待って」

翔のお母さんに呼び止められた。





「美月ちゃん、ちょっと受け取って欲しいものがあるの」


翔のお母さんはそう言ってかばんの中から箱を
取り出した。


「これね、本当は本人から渡したほうがいいと思う
んだけど、今は無理みたいだから、私から」


そう言って翔のお母さんは私の手の上に箱を置いた。




「これね、翔が事故にあったとき、ポケットの中に
持ってたの。あの子、美月ちゃんにプレゼント
しようと思ってたんだと思う。」




私は自分の手の中の箱を見つめた。




< 21 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop