キミに想いが届くまで~ずっと
翔と隣の席になってしばらくたった頃、
翔が私によく話しかけ来るようになった。
「吹奏楽部って練習大変?」
「どんな本が好き?」
「趣味は何?」
真っ直ぐ見つめて聞かれると
すごくすごく恥ずかしくて
顔がかっと赤くなるのがわかった。
でも、それが嬉しくてたまらなくて
私は翔がしてくるひとつひとつの質問に
笑顔で答えた。
それから、私も、翔に聞きたかったことを質問した。
たくさん、たくさん聞いた。
「塩崎君は何の教科が好き?」
「国語だよ」
私が思っていたのと同じ答えに驚いた。
「私も。」
翔とは何かと気があった。
趣味の話。好きテレビ番組の話。
翔とする会話はどれも楽しかった。
そして、話していくうち、どんどん翔のことを
知っていってまた、更に好きになっていった。