キミに想いが届くまで~ずっと
四、なくしたもの
翔が目を覚まさないまま、時間だけが過ぎた。
もうあれから、半年近くが過ぎた。
私はその間も1日も休むことなく毎日翔に会いに行った。
静かに眠る翔の寝顔をみながら。
今までの思い出をひとつずつ
大切に思い出していた。
楽しかったあのころを思い出して
悲しくなって泣いてしまうこともあった。
そして、時々、静かに眠る翔に話しかけた。
「翔、今日はね…………………………………」
「翔、今度、いつか、また一緒に海に行こうね。」
毎日、毎日、必死に話しかけたけど
翔が答えてくれることはなかった。
そんな日々がずっと続いていた。