On The Bed 【短編】
……今からキスされる。

経験はないのに、撫でられて頭の中がとろんとしてしまったせいでそう思い、あたしも自然に目をつぶる。


そして鷹弥は震えるあたしのまぶたに軽く唇を落とした。

目を開けると、優しく笑った鷹弥の顔がすぐそこにあった。


「……なんか恥ずかしいよ」

「じゃあ、目つぶってろ」


言われた通りに目をつぶると、今度はおでこに優しく口付ける。

そしてまぶたや頬に丁寧に唇を落していき、一旦鷹弥があたしから離れる気配がした。


あたしが再び目を開けると、鷹弥はあたしの唇を指でゆっくりとなぞっていた。


鷹弥が指を離して顔を近づけてくる。
あたしはそれに合わせて目をつぶった。

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