魔王の甘い罠 【完結】
駅に電車が到着し、私たちはホームに降りた。
2人でしゃべりながら歩き、ホームからすっかり
電車も居なくなった。

ふと、向かい側のホームに視線を向ける。


足が
止まった。

私の視線に気づき、千夏も向かい側のホームを見て「え・・?」と小さく声をあげた。


茶髪でスラッと背の高い、
人ごみの中でも目立つ存在。一之瀬君。
と、その隣には、
同じように明るい栗色のストレートロングの女性。淡いベージュのロングコートに高いヒールを履いた・・

その女性を・・私は知っている。
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