魔王の甘い罠 【完結】
運命
さすがに駅前通りは、カウントダウン帰りの若い人たちやこれから出かける人たちで人が溢れかえっている。

私は人込みに紛れこみ、なんとか歩いていた。

「ねぇ、ひとりぃ?」

若い男の人が声をかけてきた。

『・・・・・・』

こういうときは立ち止まらない。振り返らない。答えを返さない、が鉄則!

つかつかと無視して歩き続ける。
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