魔王の甘い罠 【完結】
「ってーな!」


私は言葉が出ず、背中を向けて
歩きだした。
握りしめた紙ヒコーキを
ぐしゃっと握りつぶす。

「待てよっ!」

一之瀬君が私の腕をつかむ。

私は腕を振りほどく。

もう一度、腕をつかまれる。

振りほどこうとしたけれど
一之瀬君の力は思った以上に強くて
くるっと一之瀬君の方に
向き直された。
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