魔王の甘い罠 【完結】
一之瀬君は黙って私のベッドに横になった。

ただただ、呼吸が落ち着いて楽になれば、と、それだけを考えていた。

『大丈夫? 苦しくない?』

「ゲホッ・・少しすれば、落ち着くと思う。
 コレ、あるから」

そう言って、呼吸器を見せた。

知ってる・・テレビとかで見たことある・・

一之瀬君は慣れた手つきで呼吸器を口元に当て、ゆっくりと深く深呼吸をした。

はぁ・・はぁ・・


『何か飲み物持ってくるね』
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