魔王の甘い罠 【完結】
一之瀬君は仰向けの体をくるっとこちらに向け、横向きになった。
茶色い髪の毛が、サラっと流れ、熱いまなざしが私に向けられた。

ドキッとした。


『一之瀬君を一人にして、勝手に逃げ出して、ごめんっ』

「・・・・・」

『は、反省してますっ。その、私・・あんまり恋愛経験なくて、頭がすぐにパンクしちゃうの』

「・・俺の方こそ、泣かせてゴメン」

私はぶんぶんと首を振った。

『一之瀬君の体調も考えず・・彼女、失格だね・・』

グスンッ

やだ、また、涙が・・
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