魔王の甘い罠 【完結】
一之瀬君は、安心したように
ホッと息を小さく漏らし

「来いよ」

とでも言うように、私に手を伸ばした。
私は少しずつ、一之瀬君に近づく。

「俺の彼女」

と、私を早苗ちゃんに紹介する。

『・・ども。こんにちわ・・』

一之瀬君が、私の手を握る。

私も、一之瀬君の手を、握り返した。

「そうなんだ。こんにちわ。
 なんか、変なところ見られちゃったね」

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