魔王の甘い罠 【完結】
「先に私が疲れて、別れを切り出した。
 旭は一度も止めなかったわ。
 旭に本気で好かれてる、っていう自覚もなかったから、あっけない別れだった。
南沢さんみたいに、もっと本気で旭と向き合ってれば、違う今があったのかな・・」

早苗ちゃんは、窓の外に目を向け、何を見るでもなく、ただただ遠くを見つめていた。

「私ね、来月結婚するの。タクヤ先生と」

『ええっ!!!!!』

「まだ、校長先生にも言ってないんだから、ナイショね」

早苗ちゃんはウィンクをして見せた。

『し、知らなかった・・』

「だってナイショで付き合ってたんだもの」
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