魔王の甘い罠 【完結】
な、な、舐めた!?


私は思わず手を挙げる。
が、狙いは見破られ
一之瀬君は私の手を軽々とつかんで
グイっと引き寄せた。

「おっ前、大胆だなぁ。
 みんな見てるぞ」

『ちがっ』

「ま、キライじゃないけどね」


大事故だ。
警察や消防だけじゃない。
誰か、レスキュー隊を呼んでください!!


そんな私の心の声に気づく人もなく
抱きしめられた私の横を
タクヤ先生が通り過ぎた。

「おいっ 授業はじまるぞ!」

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