進メ!





「そうか」



彼は私の返事を聞いてそれだけ呟くと、ちょっと離れたところにある自販機に歩き出す。


少しして戻ってきた男の手には、ココアの缶が握られていた。



「・・・・・・飲むと良い」

「ど、どうも・・・・・・」




びくつきながらも、差し出された缶を受け取る。


プルタブに苦戦しつつも、どうにか口を開いて一口飲んだ。



自然に、ほう、と溜息がこぼれた。




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