進メ!





「ねぇ、なんで逃げるのさ、別に、まだ、何もしてないだろ? なあ」


目の前にいるのは男だ。


大学生くらいで、髪を薄汚れた金に染め、ワックスでツンツンにしている男。



明らかにこれから私に何かする気満々の男である。



じゃなきゃ、こんな寒い夜にわざわざ追っかけ回してはこないだろう。



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