進メ!





哀れな子羊である私は、今にも襲いかかってきそうなオオカミになすすべがない。



・・・・・・怖い。



頭では必死にこの状況を何とかしようと考えているのに、肝心の体は頼りなく震えるばかりだ。



・・・・・・怖い。怖い。



一歩、一歩。


男は怯える私の様子を楽しんでいるかのように、ゆっくりと近づいてくる。



・・・・・・怖い。怖い。怖い。





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