なりのじぶん
尾関くんは怒ったような、悲しいような、物凄く微妙な顔をしていた。

わたしがそうさせたのだ。


そう思うと涙がこぼれ出た。

違う、こんなんじゃない。

こんなの、間違ってるじゃないか。

わたしは泣いてるのを見られるのが恥ずかしくてちょっと後ろを向いた。

涙を拭う余裕もなくて、ただ目から流れる涙が止まらないことを感じていた。

「俺は…

こんなつもりじゃなかった」

そう、こんなつもりじゃなかった。
< 14 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop