なりのじぶん
少し引き返して教室に入った。

担任と担任の取り巻き女子数名がまだ残っていた。

「あれ、尾関くんだ」
「高坂さんは?」
「やめなって2人とも…」

「カバン取りに来ただけ~」

「高坂さんの分も?」

「あったりまえだろ、舐めてんなーオマエ!」

「じゃあ告白成功したんだ」

「知らねーよ、帰れってんだ~帰れ帰れ!」

「はいはい、もう帰るって」
「先生バイバーイ」
「また勉強教えてね~」

「はいはい(笑)」

ガラガラガラ。

教室には廊下にいる取り巻きの声がボンヤリと響いていた。
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