クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「みんな…ありが…とう」
少し照れながらそうお礼を言う。
まさか、みんなとこうして話せる日が来るなんて思っても見なかったから。
「本番はさ!少しメイクなんかしようよ!」
「いいねそれ!」
女の子たちがバッと盛り上がって話し始める。
良かった…。少し安心。
本番が待ち遠しいな。
「…姫野ちゃん?」
教室のドアの前に立っていると、後ろから聞き覚えのある声が私の名前を呼ぶので、振り返る。
「あ、愛葉くん!」
少し驚いた顔をして立っていたのは、いつもの金髪を今日は前髪だけちょこんと結んだ愛葉くんだった。
「なにその格好…」
「…えっ。あ…学園祭で…着るの…」
「え、マジで?」
「うん…」
クラスのみんなは似合ってるなんて言ってくれたけど…やっぱり変だったかな?
愛葉くんの反応を見て不安になる。
「へぇ〜。南夏の反応がすげぇ楽しみ〜。南夏にはもったいないくらい可愛い彼女だね」
──────っ?!
愛葉くんはサラッとそんなことを言うと、私の赤くなっていく顔なんかお構いなしに、頭をポンポンとすると、スッと自分のクラスへ帰ってしまった。