クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「…なんで…私がここにいるってわかったの?」
「姫野さんのクラスに行ったら姫野さんいなくて、クラスのやつがまだ帰ってないって教えてくれて…そしたら、教えてもらったここの教室の鍵が閉まってたから」
「鍵は…」
「一応、屋上だけじゃなくてこの校舎の教室の合鍵は全部持ってるから」
「…は、はぁ…」
相変わらず、校長の息子ってだけですごい待遇だなと思う。
「あの人たちって…」
「多分…この間ボコボコにした3年の兄貴」
「は、、はぁ…」
「…ごめん姫野さん」
黒川くんはまたそう言って、ギュッと抱きしめる。
「だからもう大丈夫だって」
「…俺、本当クズ」
「…そんなこと言わないでよ」
まるで黒川くんの方が襲われかけたみたいに暗い。
「…ごめん…ごめん…」
「…黒川くんが彼氏で良かったって。私の好きな人が黒川くんで良かったって、改めて思えたよ」
「ううん。姫野さんが思ってるほど俺はそんないいやつじゃない。もっと汚くて。俺は昔からクズなんだよ…」
「…私の好きな人のこと…そんな風に…言わないでくれる…?」
私がそう言うと、黒川くんは抱きしめる手を離して、驚いた顔をして私を見た。