クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
【side 沙良】
またキュンとしてしまうセリフを言いながら唇を奪った黒川くん。
彼といると、心臓がおかしくなってしまう。
私の寿命…縮んだんじゃないかって本気でそう思う。
って言うか…。
さっきから、黒川くんの格好が気になってしょうがない。
目の前の黒川くんは、いつもの銀髪ヘアの前髪がかきあげられていて、おでこが出ている。
そして、何と言っても…執事の衣装。
正直、様になりすぎている。
ヤンキーなのに…どうしてこうも、紳士的な服も似合っちゃうのよ…。
「…黒川くん…その格好…」
「今の状況にぴったりだね。姫を助けにきた執事」
「……っ!」
姫って…。
さらっとなんてことを…。
私は恥ずかしくなって目をそらす。
私だって。
思ってる。
黒川くんが、私だけの黒川くんならいいのに。
「……黒川くん…好きだよ」
私はそう言って、執事の格好をした黒川くんの手をギュッと握りしめた。