クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「…クラスのみんなはこんなこと許したの?」
水田さんが不安そうな顔をしながらそう言う。
「うん、なーんにも言わないよ」
「……」
当たり前じゃない。
黒川くんや愛葉くんの言うことに異議を申し立てたりしたら、それはみんなにとって死を意味することなんだから…。
「大丈夫だよ。校長にはちゃんと許可取ってるし」
黒川くんがそう付け加える。
「…うん」
校長先生が許してるなら、まぁいいけど。
ちゃんとクラスのルールも守らなくちゃ…。
「それで姫野ちゃん、この猫ちゃん誰?」
愛葉くんが私の横に立ってるチェシャ猫水田さんを見て、そう聞いた。
「あ、同じクラスの水田 美蘭(ミズタ ミラン)さん。よく私のことを気遣ってくれて…水田さんのおかげで、クラスに少しずつ溶け込めるようになってるの」
私がそう水田さんのことを紹介すると、水田さんは目を見開いてちょっと驚いた顔をしていた。
どうしたんだろう…。
「…私…なんか変なこと言ったかな?」
「あ、いや…」
水田さんはそう言って、人差し指でこめかみをかきながら口を開いた。
「下の名前…知ってるなんて思わなくて…嬉しくて…ありがとうっ」
水田さんが…照れてる…。
照れ笑いする水田さんに、思わず胸がキュンとする。