クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「…黒川くん、離して」
「…やだ」
黒川くんはそう言って、抱きしめる力を少し強くした。
離してなんて言いながら、正直本当は。
まだこのままがいいなんて思ってる自分がいて。
「…黒川くん」
「んー…姫野さんの匂い」
黒川くんは私の声を無視して、後ろから私の首筋に顔を埋める。
「…ちょっ、黒川くん…くすぐったい」
「うん」
「…うん…じゃないよ」
「うん」
「もう…」
「…ちょっとお2人さーん?俺たちのこと忘れてなーい?」
─────っ?!
愛葉くんの声がして、ふと目線をテーブルの方に向けると、さっきまで正面に立っていたはずの水田さんが、愛葉くんと一緒に席に座っていた。